AGA治療の有効成分デュタステリドは効かない?

投稿者:

薄毛の投薬治療
薄毛の病、AGA。

私もAGAに心乱される日々ですが、現代ではありがたいことにAGAの治療法が色々あり、また、一昔前よりもその方法や成果は格段に進歩しています。抜け落ちる髪の毛を、ただ見つめるだけだったあの頃と違い、豊かな毛髪が復活する道が閉ざされているわけではありません。

以前、こちらの回でもAGA治療について少しご紹介しましたが、AGA治療の中でも、金額や実行する際のハードルを考えると、有効成分が入った内服薬の服用、または育毛剤などの外用剤の塗布がメジャーな方法かと思います。

これまで、このAGA治療の内服薬で一般的に使われてきたのは「フィナステリド」という成分。おなじみのAGA治療薬「プロペシア」に配合されており、薄毛治療をされている方にとってはミノキシジルと並び、認知度が高い成分ではないでしょうか。

もちろん、私もこのフィナステリドのお世話になってきた一人。しかし、薄毛と向き合い続けるにあたり、近年、とある成分の存在を耳にするようになりました。

その名は「デュタステリド」。
聞けば、デュタステリドはフィナステリドと同じくAGA治療の内服薬に使われる成分で、フィナステリドよりも効果が高いというではありませんか。


~そう、AGAに悩めるものにとってのメシア。新たなる救世主が登場したのです。~
一体、デュタステリドとは何者なのでしょうか?
しかし、デュタステリドについてお話するには「AGA」に対する理解が必要です。そこでまずは、AGAの原因(AGAが起こるシステム)についておさらいしておきましょう。

AGAとは

AGA、正式には「Androgenetic Alopecia」と表記されますが、Androgen=アンドロゲンはステロイドホルモンの一つで男性ホルモンの総称、Alopecia=アロペシアは脱毛症を意味しており、日本語では「男性型脱毛症」と訳されます。

AGAは、10代から発症するケースもあり、一般的に、30代までの若い時に発症すると「若年性脱毛症」、40~50代の壮年期にAGAの症状が現れた場合は「壮年性脱毛症」と呼ばれます。

AGAのパターン

AGAでは、額の生え際(いわゆるM字ハゲ)や頭頂部(いわゆるてっぺんハゲ)、または双方から薄くなっていくのが特徴です。AGAの進行具合は、アメリカの医師、ハミルトンによって作成され、後にノーウッド医師が改定した「ハミルトン・ノーウッド分類」がヨーロッパを中心に指標として使われていて、大きく7つのステージに分けられています。

ただし近年、AGAは人種によって進行過程に差があることが判明。日本人を含むアジア人種では、頭頂部からの進行が多いことから、日本では現在、日本人の脱毛パターンに即した「高島分類」が主に使われています。

《ハミルトン・ノーウッド分類》

AGAパターンハミルトン・ノーウッド分類
参考URL:
http://seikomedical.com/blog/aga/aga_12.html
http://www.worldhairresearch.com/?p=267#more-267
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK278957/figure/male-androgen-alpcia_f_male-androgen-alpcia_figure7

《高島分類》

AGAパターン高島分類
参考URL:http://hatsumo-web.jp/aga_dictionary/word/aga.html

AGAの原因

AGAのヘアサイクル
参考URL:http://super-scalp-kumamoto.com/

AGAの原因として、ホルモンが関係していることが分かっています。AGAを発症した場合、男性ホルモンのテストステロンが、5αリダクターゼという変換酵素の作用によってジヒドロテストステロン(DHT)に変わります。DHTには、ヘアサイクルの成長期を短縮する因子を増やす働きがあり、

ヘアサイクルの成長期が短くなる

毛髪が十分に太く長く成長する前に抜ける

未成熟な細く短い毛髪が多くなり、薄毛になる
といったことが積み重なって、不毛地帯が増えていきます。AGAの発症には遺伝的要素が大きいと言われますが、それは遺伝の関係で5αリダクターゼの量が多いほど、ヘアサイクルの乱れが生じやすくなるため。その他、暴飲暴食、過度の飲酒、喫煙、睡眠不足といった悪い生活習慣も、毛髪には悪影響です。

また、AGAは進行性のため、放置しているとそれだけ症状はひどくなります。よって、早めの対策・治療が必要。地肌が透けて見えるなど、明らかに“薄くなってきた”時はもちろんですが、髪の毛が細くなったり、ハリやコシがなくなってきたと感じたら、AGAを疑ってみてください。

効果大!?発毛成分「デュタステリド」

さて、AGAへの理解を深めたところで、今回の主題「デュタステリド」に話を戻します。

AGAの原因で、「5αリダクターゼがテストステロンをDHTに変える」とお伝えしましたが、デュタステリドも、フィナステリドと同じく、5αリダクターゼを阻害する働きがあります。

ここで重要なのは、5αリダクターゼにはⅠ型・Ⅱ型がある、という点です。

デュタステリドとフィナステリドの違い

5αリダクターゼⅠ型は側頭部や後頭部の皮脂腺に多く存在し、皮脂の分泌が多くオイリーな肌の人は、5αリダクターゼⅠ型の分泌が多いと考えられます。一方、5αリダクターゼⅡ型は前頭部や頭頂部の毛乳頭に多く存在し、体毛や髭が濃い人はⅡ型の分泌が多いと考えられます。

毛乳頭は、毛細血管を通じて髪を作るのに必要な栄養や酸素を受け取るなど、髪の成長に重要な役割を持ちます。ですので、前頭部、頭頂部で薄毛が進んでいる=AGAの症状が現れている場合、Ⅱ型の影響を強く受けていると言えます。(昔から、「頭の薄い人は体毛が濃い」なんて言われますが、ちゃんと根拠があったんですね)

フィナステリドには、このⅡ型の働きを阻害する効果があります。

しかし、Ⅰ型がAGAと全く無関係というとそうではありません。皮脂量が多い=育毛が阻害され、薄毛が進行することにつながる他、Ⅰ型の働きでもDHTが産生されることが分かっています。

よって、Ⅰ型、Ⅱ型のどちらも阻害することが、薄毛治療には重要となってくるのですが、

デュタステリドは、
フィナステリドに比べてⅡ型への抑制作用が高いだけでなく、
Ⅰ型・Ⅱ型どちらの働きも阻害する効果があるのです!

これが、デュタステリドはフィナステリドよりも薄毛治療に効果が高い、と言われている所以。今までフィナステリドを服用して、満足いく結果につながらなかった方も、それは薄毛の原因がⅡ型にない、またはフィナステリドが効きにくい体質だったからかもしれません。

デュタステリドの副作用

デュタステリドの主な副作用としては、フィナステリドと同じく、性欲減退、勃起不全、精子量減少といった男性機能の低下、肝機能障害などが挙げられています。また、デュタステリドは女性への効果が認められていない他、妊娠中の場合、胎児の外生殖器の正常な発育に影響を及ぼす危険があるため、服用だけでなく、触れたりすることも禁止されています。

◆デュタステリドのまとめ◆
【特徴】
・フィナステリドと同じく、テストステロンがDHTになるのを防ぐ5α還元酵素阻害剤として有効
・5αリダクターゼⅡ型に対して、フィナステリドよりも高い増毛効果が期待できる
・Ⅰ型、Ⅱ型の両方に効果を発揮するため、フィナステリドが効かない人にも効果が期待できる
【注意事項】
・性欲(リビドー)減退、勃起不全(ED)、精子量の減少といった副作用が報告されている
・胎児の生殖器異常につながる恐れがあるため、女性は服用及び触れることを禁止

 

デュタステリド処方薬

日本で入手可能な「ザガーロ」

デュタステリドは、もともと前立腺肥大の薬として世界100ヶ国以上で使われていましたが、その副作用として増毛効果があることが分かり、薄毛治療の新薬として実用化。イギリス・ロンドンを本社とする製薬会社、グラクソ・スミスクライン(GSK)から「ザガーロカプセル」として発売され、日本では2015年9月に認可されました。

デュタステリド処方薬ザガーロ
参考URL:http://jp.gsk.com/jp/products/our-prescription-medicines/zagallo/

尚、GSK社は「アボダート」という前立腺肥大症の薬も製造していますが、こちらにもデュタステリドが配合されています。治療目的が違うだけで、成分は同じ。ただし、アボダート自体は日本で販売されていません。

現在のところ日本でAGA治療薬として認可されているのは「フィロペシア」と「ザガーロ」のみ。その他、ジェネリック品などは海外通販サイトを通じての購入となります。

ちなみに、ザガーロはアルファベットで「ZAGALLO」と書きます。あるAGA治療クリニックによると、その名前は「究極の」「進化した」「最後の砦」という意味合いを持つ『Z』、男性型脱毛症の『AGA』、スペイン語のような語感があり、イタリア語では“o”で終わるのが男性名詞ということから『LLO』を組み合わせて生まれたとのこと。
最後のスペインとイタリアの語尾はちょっと謎ですが(笑)、“最後の砦”“究極”と名前に入れるあたり、開発側の自信を感じますね。


いかがでしたでしょうか。今回は、最新・最強と呼ばれる発毛成分「デュタステリド」についてご紹介しました。他の医療や技術と同じく、薄毛治療も日進月歩。今は悩める私たちにも、このおでこの輝きのように、明るい未来が待っているに違いありません。